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水俣条約

詳細は後述するとして「水俣条約」を簡潔にまとめると次のようになります。

「水銀に関する水俣条約」とは、国連が推進してきた地球規模での水銀汚染排除の取り組みに関する条約であり、2013年10月に熊本県水俣市にて全会一致で採択され日本をはじめ92か国が条約への署名を行いました。今後50か国が締結してから90日後に発効する予定です。

日本は本条約採択にむけて活動当初よりリーダーシップを持って取り組んできました。条約の発効を視野に入れ条約内容に沿った水銀汚染排除に官民あげての取り組みが必要となっています。

水銀に関する水俣条約

条約採択までの経緯

国連環境計画 (UNEP) は、2001年に地球規模の水銀汚染に係る活動を開始し、翌2002年には、人への影響や汚染実態をまとめた報告書 (世界水銀アセスメント) を公表しました。

その後、2009年2月に開催された第25回UNEP管理理事会では、水銀によるリスク削減のための法的拘束力のある文書 (条約) を制定し、そのための政府間交渉委員会 (INC:Intergovernmental Negotiating Committee) を設置し、2010年に交渉を開始、2013年までにとりまとめを目指すことが合意されました。

第1回の政府間交渉委員会 (INC1) は2010年に開催され、2013年1月にジュネーブ (スイス) で開催された政府間交渉委員会第5回会合 (INC5) において、国際的な水銀条約に関する条文案が合意され、条約の名称が「水銀に関する水俣条約」に決定されました。

そして、同年10月7日から11日まで、熊本市及び水俣市で水銀に関する水俣条約の外交会議及びその準備会合が開催され、60か国以上の閣僚級を含む約140か国, 地域の政府関係者の他、国際機関, NGO等、1,000人以上が出席し、水銀に関する水俣条約が全会一致で採択され、92か国 (含むEU) が条約への署名を行いました。

本条約は50か国が批准してから90日後に発効する予定です。
(2017年5月18日時点:署名:128ヶ国、批准:52ヶ国)

条約の目的と特徴

水銀及び水銀化合物の人為的な排出から人の健康及び環境を保護することを目的としています。 また、水銀のライフサイクル『産出』, 『貿易』, 『使用』, 『排出, 放出』, 『管理, 保管』の全てを初めて規制対象とした点で過去の国際水銀規制条約 (ロッテルダム条約, バーゼル条約など) とは一線を画したものとなっています。

  1. 水銀使用の16品目の製造を中止
  2. 輸出入の厳格管理
  3. 大気への排出削減
  4. 水銀を含む廃棄物の管理
  5. 小規模金採掘への指導とその撤廃
  6. 水銀鉱山の開発禁止と廃鉱

水銀を使った製品の製造, 輸入, 輸出の禁止 電池や一定含有量以上のランプ, 化粧品など、禁止製品のリストに掲載された水銀添加製品は、2020年までに製造, 輸出入が禁止されます。

品目 例外 我が国では
電池 水銀含有量2%未満のボタン型亜鉛酸化銀電池, ボタン型空気亜鉛電池 乾電池は1992年に水銀使用停止、水銀電池は1995年に生産停止。ボタン型電池は回収しリサイクルされる。
スイッチ及びリレー 監視, 制御装置に用いられる超高精密キャパシタンス, 損失測定ブリッジ、高周波RFスイッチ及びリレーで、水銀含有量20mg以下のもの 水銀スイッチ及びリレーは特殊用途に使用されてはいるが、国内で製造される自動車には使用されていない。
一般照明用蛍光ランプ, 高圧水銀ランプ, 電子ディスプレイ用冷陰極ランプ, 外部電極蛍光ランプ 一定含有量以下の一般照明用電球型, 直管型蛍光ランプ, 一定含有量以下の電子ディスプレイ用冷陰極ランプ (CCFL), 外部電極蛍光ランプ (EEFL) 蛍光管の中に含まれる水銀量は1975年代の約50gから、2005年には約8mg (40Wタイプ) に減少。
肌の美白用石鹸及びクリームを含む化粧品 (水銀1ppm超) 効果的, 安全な代替防腐剤がない場合に、水銀を防腐剤に使用している眼部化粧品。 水銀の化粧品への使用は1974年に禁止されている。
農薬, 非農薬用殺生物剤, 局所消毒薬 なし 消毒剤への水銀使用は1973年に、農薬への水銀使用は1974年に禁止。
非電化の計測機器 (気圧計, 湿度計, 圧力計, 温度計, 血圧計) 水銀フリー代替品がない場合に、大型装置に取り付けられたもの、または高精度測定に使用されるもの。 体温計や血圧計は、現在は電子式が普及しています。

下記附属書Dに記載された関連施設等を対象として「BAT/BEP等による大気への排出削減等対策を実施」と記述されており、今後、処理プロセス中の水銀濃度の挙動調査や最終排気ガス中の連続監視の必要性が高まると予想されます。

また、大気排出規制以外にも水, 土壌への排出削減がより一層、広い分野で水銀排出規制が厳格に進められていくものと予想されます。

<附属書D> 水銀及び水銀化合物の大気への排出に係る特定の発生源の一覧表

  1. 石炭火力発電所
  2. 産業用石炭燃焼ボイラー
  3. 非鉄金属(注)製造に用いられる製錬及び焙焼の工程
  4. 廃棄物の焼却設備
  5. セメントクリンカーの製造設備

参考文献


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