• 常任技術顧問:谷田 幸次(第1回)
  • 常任技術顧問:谷田 幸次(第2回)
  • 常任技術顧問:谷田 幸次(第3回)
  • 開発部設計グループ:山田泰之
  • 開発部設計グループ:黒川竜太
  • 開発部設計グループ:高畑克大

開発部設計グループ:山田泰之

担当したWA-5の特長, ポイントは何ですか ?

WA-5は原子吸光方式 (WA-5A) と原子蛍光方式 (WA-5F) の測定原理が選べて、世界で初めてのサンプルチェンジャーを接続出来るということです。

WA-5は10年ほど続いたWA-4の後継機種で、当然ながらWA-4よりもスペックは向上しています。

WA-5は測定原理が異なるWA-5AとWA-5Fがあります。
日本国内はJISなどの公定法で指定されている原子吸光方式のWA-5Aの需要が大きいのですが、測定原理として原子吸光方式は今となっては古いタイプの測定原理になります。

海外では新しくて感度の良い原子蛍光方式を積極的に取り入れているところが多いのでWA-5Fがよく出ます。

公定法で測定原理が定められているので、日本インスツルメンツ株式会社としては日本国内用, 海外用と二通りの測定原理の装置を揃えているのですが、将来的には国内, 海外ともに測定感度の良い原子蛍光方式にまとまっていくだろうと考えています。

(原子吸光方式と原子蛍光方式の違いは『プロが教える水銀測定装置選び』を参照ください)

担当したWA-5で最も気に入っている箇所はどこですか ?

気に入っている所は、捕集管をセットするためのサンプルチェンジャーです。
これは水銀測定装置では世界初のものなので、とても気に入っています。

それまでは手動でサンプルを挿していたものが自動になった訳ですから、随分と便利になっただろうと思います。

複数のサンプルを測定されるお客様からの要望がサンプルチェンジャーを作るきっかけになりました。

この製品のサンプルチェンジャー以外にも、お客様の要望に応えるために、改善したり新機能を開発をすることはよくあります。

なんだか自分が担当した機種なので好きな箇所を挙げていくのは、自画自賛するようで照れくさいですね。
気に入っていない所はすぐに思いつくのですが…。(笑)

開発部設計グループ:山田泰之

担当したWA-5を製品化するにあたって苦労したのはどういう箇所ですか ?

WA-5は前モデルよりも感度が上がっています。感度が上がると言うことは、その感度に応じた “作り” である必要があります。

測定部分は高感度になったとしても、その周辺がそれに相応しい作りでなければ、その感度が活かしきれない測定結果になってしまいます。

例えば『振動』や『圧力の変化』, 『歪み』, 『隙間』など細々した所が測定結果に影響してくるので、それらを如何に抑えて安定させるか、どう工夫すればベストになるか、という部分には苦労しました。

サンプルチャンジャーでは、空気が漏れないようにしないといけない等々の条件があって、それをクリアする機構を考えて製作するのは簡単ではありませんでした。

WA-5本体でもサンプルチャンジャーでも捕集管の固定は、上から挿し込むだけでセット出来る構造なので、緩すぎて空気漏れが発生してはいけないし、きつ過ぎると抜けなくなってしまうので、パッキンの形状を色々と試してみたりする等、丁度良い加減に調整するのには長い時間が掛かりました。

開発部設計グループ:山田泰之

製品開発はどんなメンバーで行っているのですか ?

製品開発時のリーダーの元には『開発者』, 『ソフトウェア開発』, 『機械設計』, 『テストをして評価する人』、これらを担当する人で開発チームが構成されています。

各担当者は製品開発を進めるうちに公定法や水銀測定の化学的知識についても、どんどんと詳しくなってきます。実際に自分で薬品を扱って測定をしてみたりすることも必要です。

お客様のところに納品に行くこともありますし、米国のPITTCON, 日本のJASISを始めとする各展示会に立ったり、代理店向けに新製品の説明をしに海外に出張することもあります。

この規模の会社なので、そうやって色々なことをしないといけないのですが、その様々な経験が次の製品開発にも活かされていると考えています。

製品のことを一番良く知っているのは、その製品を開発した者ですから、製品の初期ロットの納品/設置, 最初の修理にはサービス担当者以外に開発担当者が必ず同行するようにしています。

また、製品発売初期の頃は予期せぬ不具合が生じる可能性もあるので、納品前には細部まで徹底してチェックします。

日常生活で水銀を意識することはありますか ?

まったくという訳ではありませんが、ほぼ水銀を意識することはありません。

昔は体温計, 朱肉, 赤チン, 電池など身の回りに水銀を使った物がありましたが、今では目に着くところに水銀は殆どありませんから、妻が妊娠した時にマグロ等の大型魚を食べるのを控えるように言ったことぐらいでしょうか。

蛍光灯が切れて交換する時には割らないように注意する程度には意識しますけど、これもLED照明に置き換わってる所が多いですから、そのうち蛍光灯に対する注意も薄れて来るのだろうと思います。

仕事をする上で常に心掛けていることは何ですか ?

ユーザーの立場に立って使い易くするということです。

自分が装置を使用した場合に『操作し易い』, 『装填し易い』, 『メインテナンスし易い』といったことを考慮して製品作りをしています。

当然ながら性能向上も重要な要素なのですが、使い易さにもかなりの重点を置いています。

それらに加えてコストも大切な要素で、いくら性能が良くて使い易い製品であっても、コストが高いと導入して頂きにくいので、コストのことも常に考えて作っています。

開発に時間が掛かってしまうと、それが製品販売価格に反映されてしまうので、コストダウンのためにも開発時間を短くするということも常に意識して作業に取り組んでいます。

あなたのリフレッシュ方法は何ですか ?

これといった効果的なリフレッシュの秘策を持っている訳ではありませんが、家に帰って息子たちと遊んだりすることが息抜きになっているのかもしれません。

今のところ自分の趣味や興味のある事は二の次にして子供との時間を優先しています。
もっともこれは自ら進んでしているというよりも、そうせざるを得ないといった側面が無い訳ではないのですが。(笑)

私はアウトドアレジャー等も好きなので、家族を連れて川や湖でキャンプをしたりもします。

キャンプ地では子供と一緒に魚を掬ったり、水遊びをしたりして、そういうことが私のリフレッシュになっているのだと思います。


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